新生「ハナモモの会」の船出に思う

世界的に有名な建築家安藤忠雄氏、若かりし頃、設計の依頼もない土地に「こんな建物を建てたらどうですか」と土地所有者に売り込んだという、彼の建築へのエネルギーをうかがい知る逸話が残っている。

2012年、高蔵寺ニュータウン内の8万uを越える広大な県有地の活用を提案しようと「市民の会」が発足。「美術館を創ろう、文化交流施設を、スーパーを」と、市民の夢を満載した青写真が出来上がった。1.2Mもの大きな模型も完成し県や市へそれを持参して説明に廻った。当時の我々の県有地に対する情熱は若き頃の安藤氏を思わせる熱気に漲っていた。

2年が経過し、なんの進展もなく意気消沈しかけた頃、転機が訪れた。2014年敷地内に高齢者福祉施設がオープンした。建物だけは建ったものの、周辺の外周道路斜面は荒地のまま。この部分だけでも市民の手で緑化することができないか。かつてニュータウン周辺はモモの産地であった。ハナモモを植えて原風景を取りもどそう。これなら市民の力で実現出来そうだ。このアイデアをきっかけとして、今までそっぽを向いていた県や春日井市がようやく目を向け始めた。

 20172月、第一回ハナモモ育樹祭が高齢者福祉施設「どんぐりの森」を会場に150名もの参加者があり盛大に行われた。こうして発足以来5年目にしてようやく、具体的な目標が定まり活動が開始された。ハナモモ育樹祭はその後、毎年行われ、行政も積極的に参加いただけるようになった。春日井市は2017年「緑の奨励金制度」を新設。20192月の第3回育樹祭は愛知県の「あいち森と緑づくり都市緑化推進事業」に採択された。一方、一般市民からの「花咲か基金」と同時に、環境に関心のある企業からも特別協賛金が寄せられるまで発展してきた。

周辺の状況も急激に変わりつつある。県は県有地周辺を「地域包括ケア団地モデル地域」に指定、UR都市機構も賃貸住宅の大々的なリノベーションに着手した。近接する「高森山」の環境整備も同時に進行中。このような状況の中で、当会の活動が県有地に限定してしまう事は、今後の活動を阻害してしまい、次世代に受け継がれるにはもっと分かりやすい名称の方がいいのではないかとの議論が続いた。その結果、20195月の総会において名称も新たに「高蔵寺ニュータウン・ハナモモ桃源郷の会」(愛称:ハナモモの会)として承認され、ここに新しい第一歩を踏み出すことになった。

 手を広げることは、それにかけるエネルギーも増大する。維持管理にかかる経費も増える。生き物が相手なので、病虫害にも気が抜けない。あらゆる場面で責任を伴った本気度が求められる。植栽3年目の今年は苗木にとっても、いよいよ自分の力で育って行かなければならない年。会の名称変更は若木にとっても試練の船出でもある。   

               2019年(令和元年)6月30日   代表 寺島靖夫

                                                      


「羅針盤」に対するご意見や質問などはこちらへ。 E-mail terashima1108@yahoo.co.jp

(※メールソフトが立ち上がらない場合は、上のアドレスを入力してお送りください)

--------------------------------------------------
羅針盤 アーカイブ


高森台県有地問題と市民参加条例の関係性」2014.01.16(PDF)

あいちモリコロ基金」採択に思う(2014.02)

「アートが開く県有地への道」展から学んだこと (2014.5.1)

「高森台県有地に市民の声を」(2014.6.3

「住民説明会から見えてきたこと」(2014.7)

「行政とのパートナーシップを築くために」(2014.8.17)

市民協働絶好のチャンスだったが・・(2014・10)

高蔵寺ニュータウン「未来プラン」と「まちづくりフェスタ」(2014.12)

行政主導か住民対話か(2015.1.19)

「具体的提案の時は来た!」(2015.4.15)

アンケート調査から見えてきたこと(2015.8.29


県有地の活用に具体的活動が見えてきた(2016.1.)

「山は動くか」(2017.1)

「第1回ハナモモ育樹祭を終えて」(2017.3)

「ハナモモ桃源郷は市民協働の果実」(2017.6)

「ハナモモに託す夢」(2018.1)

大勢の子どもたちに囲まれている幸せ(2018.3)

「市民と企業との協働は時代の流れ」(2018.8)

「花を愛でる」(2019.4)
   2012年には、住民の皆さんから寄せられたアンケートの集計結果を基に
「こんなふうになったらいいなぁ、高森台県有地」として図に示してみました。
(原図はこちら)
段差のある地形をそのまま活かし、7つのゾーンに分けて配置してみました。

※これはアンケートに書かれた市民の声を図にしたものであり、今後こういうものを全て提案し、実現させると言うことではありません)

更に、2013年にはこれを視覚化するために1/400の模型を制作し、イメージをつかみやすくしました。
(模型写真はこちら)

住民の想いを行政はもちろん、企業などに対しても提案し、新たなニュータウンづくりへの礎にしたいと思っています。


設立:2012年9月29日
   入会者数 (2018年3月31月現在)
   正会員(個人) 50名
   正会員(団体)3団体
   賛助会員(個人)8名
「市民の会」では、一人でも多くの市民の方とともに、誰もが行ってみたくなる場所にしたいと思っています。あなたのご入会をお待ちしています。
     設立趣意書(PDFファイル)     会則(PDFファイル)
         
           ★お問い合わせ・ご入会の案内はこちら★