もりひろこ さん(篠木町在住・1954年生まれ)

                                    

「普通の主婦で一生を終わりたくないと思って―――」。
  彼女は今、地元密着の文化情報誌を創刊したいと、人とのつながりを精力的に紡いでいる。
男の子ばかり3人のお母さん。長男はすでに大学生。子どもが一人生まれるたびに挑戦したいことが増え、その都度迷わずチャレンジ。第二子誕生後には車の免許証取得。第三子のときはインテリアコーディネーターの勉強を始めた。誰もがしているような仕事ではなく、何かを生み出すような仕事がしたいと思った。15年前の彼女にとっては、それがインテリアコーディネーターだった。その知識を生かし建設会社に就職。幅広い付き合いがそこから徐々に広がり始める。同時に興味の対象も次々と広がった。
  3人の子どもの関係で持ったお付き合いの中に、シャンソン歌手のSさんがいた。兼業主婦であり、母であり、なおかつシャンソン歌手として活躍するその人が、彼女には眩しかった。フォークソングを歌っていた大学時代の音楽への夢が呼び覚まされた。ファンクラブでは後援会長を引き受け、音楽活動の手伝いを始める。様々なジャンルの音楽に触れる機会が増えた。地元で地道に文化活動をする人との繋がりも次第に増える。
 「こんなにもいろんな人が活動をしている―――」。その数の多さに驚いた。「知らなかったのは自分だけ?他の人は、こういう情報を知っているんだろうか?」。素朴な疑問が湧いた。自分が知りえた情報を一人のものにしておくのは惜しい。みんなにも伝えたい。音楽に限らず演劇他、文化活動全般の情報誌を作りたい。「コンサートや芝居や講演会の情報はもちろん、ミュージシャンや役者を応援できるような紙面づくり、発表の場を提供してくれる人の情報までも含めた情報誌を…」。昨年夏、その夢は一気に膨れ上がった。

 「こう」と思ったら次の瞬間にはもう動いているタイプらしい。「まずは人脈づくりをしなければ…。繋がれるところは全部繋がっておこう!」と“かすがい市民文化財団友の会”に入会。市のメセナ事業の文化ボランティアにも応募して、紙面作成スタッフにもなった。春日井で古くから草の根の文化活動を進めている人とも知り合った。子育てや地域活動の情報誌を作っているグループや商店街で街おこしを担う「おかみさんたちの会」とも縁を持った。たった半年で自分自身でも驚くほどの人脈を得た。出会う人、出会う人がみんな活動的。彼女は気がついた。ほとんどの人が何かの形で情報発信をしていることを。「やっぱり創らねば!自分も作れるはず」。思いはますます募る。
 多くの人と繋がれば繋がるほど「めぐりあわせ」を感じることも多くなった。「“めぐり合わせ”を感じたら、それは“次に進め”と言われていると感じちゃって…」。
 縁の不思議さを感じるとともに、縁を持つことの大切さを思う。それが彼女のエネルギーの元。出会いのチャンスを逃さないようにスケジュール表は必携。

彼女の名刺には「Key Theme 21」とある。それは、広がった興味の中で新たに見つけた自分の仕事場の名前。21世紀のテーマとなる鍵を探したいのだという。具体化への第一歩が踏み出せればその鍵が見つかるかもしれない。創刊を夢見る地域文化情報誌の名前も既に決めている。みんなの心に響けと、ズバリ「ひびき」。
 実現が楽しみ。